王子様は金髪ヤンキー!?〜My last lover〜
笑顔をもう一度―隼人side―
――隼人side――
「……もう朝か」
いつもより早く目が覚めた俺は、カーテンの隙間から差し込む光に目を細めた。
床で寝ていたからか全身のいたるところが痛い。
「……未来……」
俺はベッドの上で微かな寝息を立てている未来に近付き、顔にかかっている茶色い髪の毛を退かした。
昨晩、未来は泣き疲れたのかそのまま眠ってしまった。
俺にしがみ付き、しゃくりあげながら泣く未来。
「辛かったよな……」
未来の心の傷はきっと男の俺には計り知れないだろう。
でも、未来の痛みを一緒に背負うことならできる。
「……絶対、お前の笑顔取り戻してやるから」
太陽のように明るいその笑顔がもう二度と曇ってしまわないように。