王子様は金髪ヤンキー!?〜My last lover〜
お昼前、隼人はあたしを家まで送り届けてくれた。
「色々と……ありがとね?」
「別に。ただ、もう昨日の男とは関わるなよ?もし何かあったらすぐ俺に連絡しろ」
「うん。ありがとう」
隼人の乗る単車が走り出した瞬間、胸がギュッと締めつけられた。
まだ一緒にいたかったな。
週が明ければ学校で会えるのに。
それなのに、どうしてこんなにも胸が苦しくなるんだろう。
もしかして……あたし……
隼人を好きになっちゃった……の?
あたしは自分自身の気持ちに戸惑いながら、玄関の扉に手を掛けた。
「……ただいま」
「やっと帰ってきた!突然泊まるなんて言い出すから心配したのよ?それに、あんな遅くにミホちゃんの家に行くなんて!!」
「ごめん。これからは気を付けるよ」
「ちょっと未来、待ちなさい!!まったく……遅い反抗期かしら……」
ブツブツと独り言を繰り返すお母さんの声を背中に受けながら、あたしは階段を駆けあがった。