王子様は金髪ヤンキー!?〜My last lover〜

その瞬間、廊下にいた生徒達が一斉に騒ぎ出す。


「キャーッ」とか「ギャーッ」とか、そんな悲鳴にも似た叫び声が廊下中に響き渡る。


「隼人……!みんな見てるよ」


「見させとけばいいだろ」


「でも……恥ずかしいよ……!!」


「お前が俺の女だって、他の男に見せつけとくんだよ」


「……っ……!!」


あたしは周囲の目から逃げるように隼人の大きな胸に顔を埋めた。


一定のリズムを刻む心臓の音を聞いていると、妙に気持ちが落ち着いてきて。



いつの間にか、廊下の真ん中で抱き合っていることなんてスッカリ頭の中から消えていて。



ずっとこのままでいたい。


ずっと隼人の腕に包まれていたい。


「……隼人、大好きだよ」


あたしは隼人に聞こえないようにポツリとそう呟いた。

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