王子様は金髪ヤンキー!?〜My last lover〜
「こんなとこで時間潰してる暇あるんなら、早く未来ちゃんのところに行ってやれよ」
「そうしたいのはやまやまだけど、今からバイト。終わったら未来に電話する」
「そっか。とにかく美咲には気を付けろよ。あいつ、狙った獲物落とす為には手段選ばないって有名だから」
「あぁ。じゃあな」
俺は鞄を脇に挟んで立ち上がると、亮の家を後にした。
『あいつ、狙った獲物落とす為には手段選ばないって有名だから』
亮の言葉が妙に引っ掛かる。
亮の家からバイト先まで単車で15分。
バイトが終わるのを待たずに、ガソリンスタンドに着いたらすぐに電話をかけよう。
未来の耳にその噂が届いてしまう前に自分から説明すればきっと分かってくれるはずだ。
俺は急いで単車に跨り走りだした。