王子様は金髪ヤンキー!?〜My last lover〜
一刻も早く未来に連絡を入れたかったけれど、この場所にいればまた美咲に邪魔されないとも限らない。
俺は単車に跨ると、自宅へ直行した。
「……クソっ」
ようやく未来を手に入れたのに、堂々と付き合うこともできないのか?
美咲という存在が、俺と未来の邪魔をする。
「……早く誤解解かねぇとな」
家に着き、急いで携帯を取り出してリダイヤルから未来の名前を探す。
本当は直接未来に会って全てを話したかった。
でも、時計の針は22時半を回っている。
こんな時間に未来の家に行くのは抵抗がある。
俺はすぐさま未来に電話をかけた。
《♪♪♪♪♪〜〜〜》
普段はどうっていうことのない呼び出し音が、俺の感情をあおる。
大丈夫だ、話せば未来は分かってくれる。
美咲とキスをしたこと、さっきの電話での美咲とのやりとり。
納得してもらえるまで、正直に話すしかない。
俺が好きなのは未来だけだ。
未来にそう伝えよう。
俺は耳に当てた携帯をギュッと強く握った。