王子様は金髪ヤンキー!?〜My last lover〜
「俺、未来に話さなきゃいけないことがある。落ち着いて聞いて欲しい」
「うん……何?」
良い話でないことは隼人の口調からすぐに分かった。
気持ちを落ち着かせようとして胸に手を当てる。
だけど、心臓はドクンドクンと不快な音を立てて鳴り続けていた。
「さっきの電話の女……美咲っていうんだ。俺のバイト先に最近入った奴」
「……うん」
「で、ちょっとした事故であいつと……」
隼人がそう言いかけた時、耳を塞いでしまいたかった。
その後に続く言葉が、嫌でも分かっちゃったから。
「……キスしたの?」
あたしがそう聞くと、隼人は「した」と認めた。
その瞬間、目の前が真っ暗になった。
隼人も……裕と同じなの?
また大切な人に裏切られるの?
もう、あんな気持ちを二度と味わいたくない。
鼻の奥がツーンッと痛んで、あたしは唇をギュッと噛み締めた。