王子様は金髪ヤンキー!?〜My last lover〜

「俺、未来に話さなきゃいけないことがある。落ち着いて聞いて欲しい」


「うん……何?」


良い話でないことは隼人の口調からすぐに分かった。


気持ちを落ち着かせようとして胸に手を当てる。


だけど、心臓はドクンドクンと不快な音を立てて鳴り続けていた。



「さっきの電話の女……美咲っていうんだ。俺のバイト先に最近入った奴」


「……うん」


「で、ちょっとした事故であいつと……」


隼人がそう言いかけた時、耳を塞いでしまいたかった。


その後に続く言葉が、嫌でも分かっちゃったから。



「……キスしたの?」


あたしがそう聞くと、隼人は「した」と認めた。



その瞬間、目の前が真っ暗になった。


隼人も……裕と同じなの?


また大切な人に裏切られるの?


もう、あんな気持ちを二度と味わいたくない。



鼻の奥がツーンッと痛んで、あたしは唇をギュッと噛み締めた。
< 222 / 448 >

この作品をシェア

pagetop