王子様は金髪ヤンキー!?〜My last lover〜
次の日の朝。
あたしはミホに昨日の出来事を相談した。
「その女が隼人くんに付きまとってるだけじゃないの?彼カッコ良いしさ」
「そうなのかな……」
確かにミホの言うとおり、隼人はカッコいいし女の子に人気がある。
一見怖そうで取っ付きにくそうな隼人に近付く勇気のある女の子はこの学校にはいない。
だけど、女子生徒の一部には隼人の熱狂的なファンがいて。
裏ファンクラブらしきものも存在すると、ミホが前に言っていた。
「何を弱気になってんの。隼人くんの彼女は未来なんだからもっと胸張りなよ!」
「……そうだね」
「悩むなら、隼人くんの話もう一回ちゃんと聞いてからにしなよ」
ミホの言うとおり、昨日の夜は頭が混乱して隼人の話を最後まで聞けなかった。
「……だよね。あたし今日ちゃんと隼人に話してみる。ミホありがとう」
「どういたしまして。頑張んなよ?」
「うん!」
あたしはニコッと笑いながら大きく頷いた。
でも、隼人がこの日学校に姿を現すことはなかった。
それどころか、何度メールを送っても隼人からの返事はなくて。
『今日、何で学校来てないの?』
『連絡待ってるね?』
心配になって昼休みに何度か電話をかけてみた。
「……――留守番電話サービスに接続します」
でも、呼び出し音の後に機械的なガイダンスが流れるだけで隼人と連絡がとれなかった。