王子様は金髪ヤンキー!?〜My last lover〜
「……――ごめん!!」
あたしはシュンくんに握られた手を勢い良く振り払った。
隼人以外の男の子に触れられたくない。
それが本音だった。
「……未来って一途なんだね。ますます気に入っちゃった」
クスッと妖笑を浮かべるその顔は、さっきまでのシュンくんとは別人のようで。
一瞬、その豹変ぶりに恐怖すら抱いた。
「あたし、帰るから」
「未来、またね〜!」
背中にぶつかる陽気なシュンくんの声を無視して、あたしは勢いよく走りだした。