王子様は金髪ヤンキー!?〜My last lover〜

その後もシュンくんは、休み時間の度にあたしのいる教室に遊びに来るようになった。


上級生の教室に下級生がいる。


それだけで注目の的になってしまう。


それどころか、ルックスの良いシュンくんには隠れファンが存在するらしい。


シュンくんと一緒にいると、視線が痛い。



「未来ー、英和辞典貸してくれない?」


そして昼休みが終わりに近付いた頃、またしてもシュンくんがあたしの教室に顔を出した。


「英和辞典?」


「そう。家に忘れてきちゃってさ」


「……うん、分かった」


あたしは分厚い英和辞典を机の中から取り出すと、シュンくんに手渡した。
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