王子様は金髪ヤンキー!?〜My last lover〜
「その子ね……――」
その後も、美咲は延々と好きな男の話ばかり繰り返した。
「ねぇ、隼人聞いてる?」
「聞いてる聞いてる」
「それならいいけど。でさぁ……――」
まだ続くのかよ、めんどくせぇ。
さすがにうんざりしていると、俺の目にふとある物が留まった。
テーブルの上に置かれた黒い最新型の携帯。
「お前、携帯変えたの?」
うちにやってきた時はピンク色の携帯だったのに。
俺がそう尋ねると、美咲は表情をだらしなく緩ませた。
「そう!心機一転ってことで。その携帯、あたしの好きな人とお揃いなの!」
「あっそ。つーかお前、俺の携帯ロッカーから出して勝手に見ただろ?」
「へ?どういうこと?」
俺の言葉に美咲は目を丸くして、首を傾げた。