王子様は金髪ヤンキー!?〜My last lover〜
「俺、お前を自分のものにしたい。誰にも渡したくない」
「でも、あたしは……まだ裕が……」
「俺が忘れさせてやるよ。お前の全てを俺色に染めてやる」
「……――っ!!」
耳元で囁かれて顔が真っ赤になったのが自分でもはっきりと分かった。
ドクンドクンと心臓が激しく暴れ出して、息をするのが精一杯で。
あたし、どうしちゃったの?
好きなのは裕でしょ……?
それなのに、どうして新城隼人の言葉にこんなにも動揺してるの?
新城隼人の胸に顔を埋めてギュッと目を瞑った瞬間、
≪キンコーンカーンコーン~♪≫
タイミングよく授業の終わりを告げるチャイムが鳴り響いた。
「……ごめん。あたし、教室戻るね」
「これからは隼人って呼べ」
新城隼人の胸を両手で押して体を離すと、あたしは新城隼人の言葉を背中に受けながら逃げるように保健室から飛び出した。