王子様は金髪ヤンキー!?〜My last lover〜
窃盗、クスリ、集団暴走、喧嘩。
目の前に立っている男は、数々の黒い噂が絶えない新城隼人(しんじょうはやと)だった。
女の子からの人気は絶大で。
他校の女子生徒が彼を一目見ようと、学校まで押しかけて来たこともある。
だけど、近付きにくいオーラを放つ新城隼人に誰一人話掛けられずにいた。
「お前その髪はなんだ!早く染めなおしてこい!!」
島は顔を真っ赤にして新城隼人を怒鳴り付ける。
だけど、怒鳴りつけられた張本人は顔色一つ変えない。
「これ、地毛」
「地毛なわけないだろ!せいぜいもう少し落ち着かせるとかしろ!規律が乱れるだろう!」
「キャバ嬢落とそうと必死な奴に言われたくないね」
「お前何でそれを……」
口の端をクイッと持ち上げてニヤリと笑うと、新城隼人はそのまま校舎へと歩いていった。