王子様は金髪ヤンキー!?〜My last lover〜
普通なら彼氏でもない人に人形を「捨てろ」なんて束縛めいた事を言われていたら嫌なはず。
あたしも例外じゃない。
束縛されるのは嫌だし、誰かに命令をされるのも嫌。
それなのに、隼人にそう言われると何故か少しだけ嬉しくて。
何でこんな気持ちになるのか、自分でもよく分からなかった。
「いっぱいとってくれて、ありがとね?」
隼人はその後も、UFOキャッチャーでたくさんの人形を取ってくれた。
大きいものから小さいものまで、何でも簡単に取ってしまう隼人。
UFOキャッチャーの苦手なあたしは、隼人を尊敬の眼差しで見つめた。
「もう持ち切れないな」
いつの間にかあたしの両腕は一杯で。
「……だな」
隼人はあたしを見ると、鋭い目を細めて優しく微笑んだ。