王子様は金髪ヤンキー!?〜My last lover〜
「あっそ。つーかお前、名前なんだっけ?」
「愛川……未来」
「愛川未来……か」
新城隼人は少し考え込んだ後、「まぁいいや」とフッと意味あり気に笑うとあたし達に背中を向けて歩き始めた。
太陽の光に反射して金色の髪がキラッと輝く。
彼が少し表情を緩めただけなのに、何故か心臓がジャンプした。
「うわ……間近で見ると、めちゃくちゃ存在感あるね!!」
「……うん。そうだね」
未だに心臓がトクントクンっと鳴っている。
あたしって……案外メンクイだったのかな。
あたしは屋上を出ていこうとする新城隼人の背中を目で追いながら、小さく頷いた。