走れ!演劇クラブ2010
って、これって私がMILROとして描いてるやつじゃん。
「たまたま本屋でめっけてさ~、買っちゃったのさ。」
なんかハズいんだけど。だって友達が笑いながら私が描いてるマンガを出してきたんだ。
「ねぇミーちゃん、ハズいなんて思ってない?」
「え?そ、そ、そんなこと思ってないよ?」
「うっわ~、わっかりやす~。」
歌音はチェシャー猫みたいにニヤニヤ笑いながらそう言ってくる。
「おや、ミハルに泪佳じゃん。しかも歌音だっけ?もいるし。」
「歌音だよ~!」
キョンちゃん。
「そーだったわね。確かこないだ智風と一緒だったわよね。てか珍しーわね。今帰り?」
「あ、あのね、帰りにCD屋さん行ってたから。」
「いいよね~ハイスクールライフ。私高校卒業までイギリスにいたからさ~、日本での高校生活に憧れてたんだよ。」
「杏香さん、それ自慢なの?」
「な訳ないじゃん。けいおん!の面白さにかけて。」
たしかにけいおん!は面白いけどかけるほどかな?
「杏香さん、おねえちゃまは学校じゃどんな感じかな?」
「杏香さんとか中途半端に堅苦しいわね。毎度。そ~ねぇ、雷佳はきっとウチでのキャラと変わんないと思うわよ。」
「やっぱりお騒がせキャラってこと?」
「ん~まぁそれっぽいかな。こないだもさぁ大樹って後輩がいるんだけどさぁ、そいつをよく振り回してるよ。ヒマだから教授の部屋からカツラかっぱらってこいとか言ってさ。」
そーゆーことさせんのキョンちゃんだけかと思ったけど、他にいたんだ。
「やっぱり変ってないんだ。」
「あ、そうそう、もうオーディションの話は聞いた?」
「もう聞いたけど。」
「じゃあとっておきの話を聞かせたげんね。」
ほぇ?キョンちゃんは何を聞かせるのかな。
「オーディションは、別に一つの演劇をやれって訳じゃないから演劇をオムニバスっぽくしたり間に色々挟んでもオッケーなのよ。」
って、私たちに有利な情報だし。
「ねぇキョンちゃん?それ、言っちゃダメな情報だと思うんだけど。」
「そうかしら?じゃあ忘れちゃう?」
「忘れる訳ないでしょ!こんな情報を!!」
歌音。
「いい返事ね。歌音。じゃあこんな情報も。そっちのいわゆる第一演劇部の部長はウチの副部長の弟な訳だけど、兄弟で第二演劇部を潰しかねないし注意したがいいわよ。」
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