叶わない恋
「恵里さんに似てるな……」

店員は夢の中の恋人、恵里に瓜二つだった。

「勇気出せ!……でもなんて話かければ……」

進藤は雑誌を持って店員さんに渡した。
「ありがとうございます。雑誌が一点で300円になりまーす。」

進藤は、少しだけだが店員さんの顔を見つめた。

「同じ笑顔だ……」

いつの間にか進藤は涙を流していた。

「?…お客様?どうかなされましたか?」

「い、いや、何もないです……」

進藤は雑誌を受け取ると、勇気をふり絞って言った。

「僕……あなたが好きです………恵里さんが好きなんです!」

進藤はそう言うと、コンビニから勢い良く出て行った。
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