大好きなんです。
『はい。コーヒー。』

あたしはコーヒーを差し出しながら言った。


「おおきに。はよ乗り〜寒いやろ。」


『お願いします…』


助手席に向かって乗りながら言った。



きょうちゃんは車を動かさず、コーヒーを一口飲んで口を開いた。




「…めぐちゃん。ホンマはもう1つ前の駅で降りたやろ??」


『え!?…っと…』


「どんなに頑張って考えても計算合わへん。」



『あぁ…ハイ…
実はそうなんですぅ…』

「危ないやろ??怖ないん??
世の中変な奴なんてゴロゴロしてんねんで?まして都会て言われてるとこやで。」


『最近歩いてなかったからちょっと歩こうと思って…』


「昼間に歩き。」


『だって、地元にいた時はしょっちゅう夜歩いてたし…』


「地元とここは違う。めぐちゃんなんか一発でやられるで。わかった?」


『……

うん。わかった!!ゴメンなさい…疲れてるのに。』


「ホンマやで。まだ飯も食うてないしな。」


『あぁぁぁ…ごめんなさい…おごります!!』


「ハハ。おごらんでいいから飯付き合ってや?」


『もちろんです!!!!』



あたしは嬉しくてしょうがなかった。
きょうちゃんはホントに心配してくれたんだ。



好きだなぁ…がたくさん増えた。





< 71 / 110 >

この作品をシェア

pagetop