愛してジュリエット!



「…あら帰るの早かったのね、樹里。……逃げたのかと思った」


カ……カレンちゃん。
コワイ

「誰が逃げるって?」


「…ふふ、いいのよ。別に…代役なんていっぱいいるし。例えば…あたしとかどう?美於君。」


カレンちゃんは俺の目を見つめ、肩の辺りを触ってきた。


「……そいつの相手は私だけよ。…逃げたなんて、もう言わせないんだから」



樹里ちゃんはカレンちゃんの目をじっと見据えて言った。



「……そうだよ。俺のジュリエット役は樹里ちゃんしかいないよ。」


「…そうね。じゃあ……始めよっか」


その笑顔はいつものカレンちゃんだった。



「…許してね美於君。華恋は口は悪いけど、お節介やきで…優しいの。」


「花音ちゃん…。」


…そういう事か。

「とんだお節介やきだね。」



華恋ちゃん…樹里ちゃんをわざとたきつけたのか。
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