華の恋


それなのに何事も無かったように
華恋から離れて机の上にあった雑誌を
読み始めた。



えっ…えっ…えっ?



「しょっ、勝ちゃん!!」



起き上がって勝ちゃんに呼びかけると
ゆっくり顔を向けた。



「何?」…って顔。



幼稚園の頃に勝ちゃんの家のお隣さんに
引っ越して以来いつも一緒に遊んでた。



長い付き合いなだけに
勝ちゃんの性格も知り尽くしてる。



めんどくさいからちょっとした言葉も
顔で話ちゃうんだ。



今だって感じとれっちゃったけど…。



人が寝てるすきにキスしといて
「何?」、は無いんじゃないのっ!?



「今の…何?」



おそるおそる聞くと少し首をかしげて
考え事をしだした。



いやいやいや!!



そこ考えるとこ!?



タイプは違うけどしおりさんに似て
すっごく天然な勝ちゃん。



考え事したくせにすぐに雑誌を
見だした。



華恋の質問は無視ですかっ!!


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