華の恋


「だからそれを素直に伝えろってこと」



詩織さんの意見って…結局
みなとの考えじゃん。



でも…。



「そうだね…そうかもしれないね」



「そうだよ。ってかそうだ!」



変に言い切るみなと。



「さて…そんで、どうする?華恋」



「え?」



「屋上には勝を探しに来たんだろ?
屋上は勝のたまり場だから」



「うん、そう。
ここならいると思ったんだけど」



「俺も勝探しに来たんだよ、
昼休み始まってすぐに。
けど、いなかった」



そう言いながら屋上のてすりに
もたれかかった。



「だってあいつ俺がここに来たとき
帰ってたもん。そこ歩いてた」



そう言って校舎から正門までを
まっすぐ指差した。



「は!?なんでそれを早く…」



「行けよ。
どうせ家でごろごろしてんだろ?
今だったら2人きりだよ?」



にこっと笑うみなとに背を向け
すぐに屋上から出た。


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