華の恋

いつのまにか華恋の瞳からは
涙がどんどん溢れてる。



「…華恋？」



「勝ちゃんは恋を軽く見すぎだよっ！
恋って傷つくものなんだよっ！？」



「…傷…つく…？」



「傷ついて…傷ついて…
だけど好きで仕方がなくて…。
それが恋だよ！」



そんなの分かってる…けど。



「勝ちゃんは逃げてるだけだよ。
華恋とかじゃなくて…自分から」



俺が？自分から逃げてる？



「だってそうでしょ？
他の男の人と一緒にされるのが嫌なら
それ以上にいい男になればいいじゃん。
華恋が大大大好きになるくらい
いい男になればいいじゃん」



「……そんなこと…」



「自分に自信が無いんだよ。
華恋に好きって思われる自信が。
それが無いから変なこと考えて
１人で空回りして…華恋迷惑だよっ！」



止まらない涙を必死で拭く。



けど、俺からは目をそらさない。



「華恋軽く無いもん…」



「え…」



「華恋のこと…軽い女だって
思ってるんでしょ？
華恋軽くないもん…」