華の恋
えぇぇぇぇぇ!!??
「勝ちゃん!!!」
遠くなる背中に叫んでも足を止めようと
しないその人。
「何?華恋ちゃん…彼氏じゃないの?
なら俺と…」
「ちょっとどいて下さいっっ」
せまってきた男の人を突き飛ばし、
急いで追いかけた。
「勝ちゃん!!!」
思いきり抱きついて腕をからめる。
「一緒に帰ろう♪」
その人を見上げて笑顔でそう言った。
華恋を見下ろすその人はしばらく
華恋を見つめるとゆっくり腕を離し、
またスタスタと歩きだした。
「もう!勝ちゃん!!」
負けじとその人を追いかけ、
強引に腕をからめた。
私、真山華恋(まやまかれん)。
恋に生きる花の高校1年生。
今まで数えきれないくらいの男の人と
付き合ってきた。