華の恋
聞きたくない!離してよ!
「やだやだ…勝ちゃん!!」
そう叫んだ瞬間ストーカーの手が緩んで
華恋の腕を離した。
そして、それと同時に華恋の体を
誰かが勢いよく抱きしめた。
「え?…あ、勝ちゃん」
顔をあげると右腕で華恋を抱きしめ、
左手でストーカーの腕を思いっきり
ひねってる。
「……はぁ……無事?」
右手に持ってた携帯を閉じて
息をきらせながら聞いてきた勝ちゃん。
「う、うん…ありがと…」
華恋がそう言うとほっとした顔をした。
「…っててててて!離せ!!」
あ、そうだストーカー。
体ごと勝ちゃんの方を向いてた華恋は
顔をストーカーに向けた。
って…えぇぇぇ!?
「誰?…お前…」
「小田さん!?」
勝ちゃんが低い声で言った言葉に
かぶさるように華恋は叫んだ。
「…華恋…知ってんの?」