華の恋
無表情なまま聞いてきた。
「ったい!!離せ!痛いーーー!!」
「は、離してあげて勝ちゃん!」
不思議な顔をしながらも小田さんの腕を
離した勝ちゃん。
「ったぁ~……どんなバカ力だよ」
「大丈夫ですか小田さんっ」
「大丈夫じゃないよっ!誰?この男」
「こっちのセリフ…」
「あ…えっと…この人は
片瀬勝っていって…幼なじみです」
「幼なじみ?…あっそう」
「んで…この人は…小田さん。元カレ…」
「…元カレ?」
「そう…元カレ」
この間1分の最短記録を作った人…。
大学生の小田さん。
「でも…なんで?」
「あの時はついさかっちゃったけど
華恋ちゃんともう1度やり直したいなー
って思ってさ?」
「でも…なんでストーカー…」
「あはははっ!初めてだよストーカー。
デビューしちゃったよ、ついに俺が。
だって華恋ちゃん電話しても
つながんないし、メールも届かないし」