華の恋
大切な女の子★勝
11月の冷たい風が下駄箱に
近づけば近づくほど顔にあたる。
寒さが苦手な俺はブレザーのポッケに
両手をつっこんで身をすくませる。
…何してんだ?
俺のクラスの下駄箱の前で
女を下駄箱に追いつめてる男。
あきらかに嫌がってる女。
「ちょっ…やめ」
「おい」
俺のその言葉で男は動きを止め、
女も男も俺の方を見る。
「勝ちゃん!!」
俺の顔を見て一気に笑顔になる女と逆に、
女をくどく勝負顔なのか…
かっこつけてた男の顔は
一気に怖くなった。
「お前が華恋ちゃんの彼氏?」
「…」
「そうです!華恋の彼氏です!」
そう言う女から男を引き離した。
「邪魔…」
「何すんだよっ」
男を無視して女を見つめる。
「華恋…」