華の恋
屋上に入るドアの前で体についた
ほこりをはらう女。
150センチ無い身長にきゃしゃな体。
肩くらいの髪を2つにゆるく結んでる。
その子は俺を見つけると笑顔で言う。
「勝ちゃん!」
その笑顔を1つで温かくなる俺の心。
「ねぇ聞いてよ!
今このドア開けようとしたら
いきなり女が出てきてさ?
華恋にぶつかってしりもちつかせたのに
謝りもせずにキレたんだよ!?
ちょ~う非常識じゃない!?」
小さな体で怒りを表す。
「…怪我は?」
「あっ、大丈夫。
ちょっと制服汚れただけ。ほらっ」
そう言ってスカートについたほこりを
見せてきた。
「…何か用?」
スカートだけでなく体中についたほこりを
はらいながら俺は聞いた。
「そうだ。先生に勝ちゃん呼んでこいって
言われたから。
今野活のこと話し合ってるの~。
行事ごとに参加しないなんて許せん!
って、怒ってるよ?」
野活…野外活動…?
「もちろん班はいつもの5人だよ♪
華恋と勝ちゃんとみなとと杏と…
それからまこっちゃん!」