華の恋
「華恋ちゃんは…お父さんやお母さんが
居なくて淋しくないの?」
そう聞くと華恋は答えた。
「淋しいよ?でもね?
パパもママも華恋のために
お仕事頑張ってくれてるから!」
「泣いちゃう時…無いの?」
「泣いちゃだめだもん」
「え?」
「華恋が泣いたらパパもママも
悲しむもん。
パパとママが悲しむのは見たくない。
パパとママが大好きだから」
とびっきりの笑顔でそう言った。
強い…と、思った。
小さな体で…俺と同い年なのに…。
強い子だって思った。
けど…その強さの影では、きっと…
弱い部分がある。
守りたい…俺が。
そう思った。
いつも華恋のそばにいて、
華恋の弱さが膨らまないように
俺が守るんだ。
そう決めた。
けど…それは恋では無く…
家族愛のようなものだった。