華の恋
うつむいて珍しく黙ったかと思うと、
「勝ちゃんって好きでしょ?華恋のこと」
って、分けのわからないことを
言ってきた。
なんで今それ聞くの?
本当に読めない…華恋の考えてること。
おかしくて笑えてくる。
そのまま雑誌を読んでると
いきなり立ち上がり部屋から出ようと
してる華恋。
行くなっ。
「華恋」
思わず呼んでしまった。
とりあえず、
華恋がさっき座ってた場所を叩く。
すんなり元に戻ってきた華恋。
けど…この先どうすんだ?
考えてなかった…どうしよう…。
華恋は不思議そうに俺を見てる。
あっ…髪…。
風呂入ったのかな…濡れてる…。
髪からはぽたぽたと水滴がたれて、
布団に落ちていく。
俺は華恋の首にかけてあるタオルを
手に取り髪を拭いた。