華の恋
「風邪ひく…」
「…ありがと」
どういたしまして。
そう思いながら微笑んだ。
良かった…何とかしのいだ。
キスの理由を聞かれるのは嫌だけど…
華恋がそばから離れるのはもっと嫌だ。
俺って矛盾してる。
いつからこんなに
わがままになったんだろ…。
それに…風呂上りの華恋は
いつもと違って…。
いつもふわふわの髪だけど…
濡れてるせいかストレートになってて
いつもより大人っぽい。
触れてるだけでも…緊張する。
華恋が下向いてる分…まだ助かった。
今の俺…顔がヤバイと思う…。
『なんで!?カラオケ行こうよーっ』
「行かない…」
『なんで!?なんで!?
あたしがこんなに頭下げて頼んでるのに
行かないって言うの!?』