華の恋
華恋が嫌がったからフったのか?
それくらいの気持ちだったってことだろ?
軽い気持ちで付き合ったってことだろ?
「嫌がることしたくせに…
本気とか言うな」
「何だよ!ただの幼なじみのくせに…」
そう言いながら立ち上がる男。
「何だよ…かかってこいよ。
相手になってやるよっ!!」
自慢げに言ってるけど…
正直全然強そうじゃない。
案の定、男に1歩近づいただけで、
「ごめんなさーいっ!!」
簡単に逃げて行った。
…弱い男。
逃げてく男を最後まで見届けずに、
道路に落ちてる華恋のかばんを拾った。
「ん…」
「え…あっありがとう」
華恋がかばんを受け取るのを確認すると
家に向かって歩いた。
「ねぇ勝ちゃん!来るの早くないっ!?」
歩く俺の背中に叫ぶ。