華の恋
にっこり笑うみなと。
「なんじゃそりゃ」
「って…言うのは嘘で。
たまたま店に顔出したらおじさんに
勝呼んでこいって言われたから
呼びにきただけ」
みなとがそう言うと勝ちゃんが体を
起こした。
「おじさんが店手伝えってさ」
「分かった」
そう言いながらベッドから降りた。
え?行っちゃうの!?
「華恋も手伝う!!」
「だーめっ。華恋は俺とお留守番」
え…。
勝ちゃんについて行こうとした華恋の
腕を引っ張り自分の横に座らせたみなと。
「ちょっと!やめてよっ」
「トランプしよっ、トランプ!」
「はぁ!?しないよっ」
「いいじゃーんっ。あれ?勝。
早く店手伝ってこいよ」
嫌がるあたしの腕をつかんだまま
ドアの前に立ってる勝ちゃんを
追い払うように手でしっしっとする。
無言で部屋から出て行った勝ちゃん。