Engagement Ring―かすみ草―×―ひまわり―
一人で迎える朝
ピピピピピピピ………
耳元で鳴り響く携帯のアラーム音でハッと目を開ける。
慌てて起き上がり、直ぐ傍に置いてあった携帯を手に取ってアラームを解除した。
……いつの間にか寝ちゃってた。
寝たか寝てないかも分からない。
涙がああなってから、ずっとそんな状態であたしは朝を迎えてる。
夢か考えていたのかも分からないけれど、もし夢だとしても見るのは絶対涙に関するもの。
そして、起き上がって隣に温もりが無いことに落胆する。
一人の朝は寒くて、寂しくて。
いつも隣に居て温もりをくれていた彼の有難さを実感する。
仕事……行かなきゃ。
あたしはさっきまで見ていた夢を思い出しながら、会社へと向かった。