Engagement Ring―かすみ草―×―ひまわり―
私は、首の後ろに手を回してネックレスに手をかける。
そして、ネックレスを外してリングだけを手に取り出す。
「……これね、もう必要無くなったからあげる」
机の上にリングを置いて、ドアへと迎う。
「ちょっと……本城さん!!」
後ろから聞こえてきた声を遮るように、音をたててドアが閉まった。
「もう……お終い」
力なく声を出すと、今まで我慢してきた涙が一気にこぼれ落ちてきた。
なんでこんなことになっちゃったんだろ……。
ずっと幸せなはずだったのに。
これからも、ずっと幸せなつもりだったのに。
私は、初めて自分が不幸だって感じた。