「…はぁ?」

そいつの的外れな言葉はオレの脳内を走り回った。ちゃんって何だ?普通は女子につけるんだよな?

「あれ、違ったかな?この席、狭山渚ちゃんの席だよね?」

…こいつ、ホントにオレを女子だと思ってんのか?

「何を勘違いしてるか知らないけどさぁ…狭山渚はオレだし、オレは女じゃない。」

「ありゃ、そうなんだ。渚ちゃんカワイイから女の子だと思っちゃったよ。」

テへ、とか言って笑うそいつからオレは顔を背けた。窓の外の電線に止まる二羽のスズメがなんとなしに視界に入る。
こういうのは一番めんどくさい。自分が嫌われてると自覚することなく接してくるのには小学生…いや幼稚園児の頃から辟易している。

「あ、ちなみに私は柳原幸ね!幸せって書いて、サキって読むんだよ!」

「誰も聞いてない。」

「じゃあ、これから私たち友達だから!よろしくね〜」

そう言ってから、オレの元を離れた。

…何がよろしくかまったく理解できない。
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