一秒だけでも・・・


私は叫ぶしかできなくて

何も周りの声が聞こえなかった。

いつの間にか私は病院にいた。









私はベンチに座って泣いていた。
「夕向・・・」
とかけつけてくれたお兄ちゃんが私をそっと抱きしめてくれた。

『お兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃん!!!』

泣きじゃくる私
その時優しく声をかけてくれた人。

「大丈夫・・・楓は帰ってくるよ」
高須先輩のお父さんだった。

「君もわかるだろ?
楓はあんな事で諦めるやつじゃない・・・って」

『はい・・・』

「じゃあ信じてあげて・・・」
と高須先輩のお母さんが私の手をそっととって握ってくれた。



私本当は恨まれるような人間だよ。

先輩をこんな状態にした張本人だよ。


なんで先輩のお父さんとお母さんはこんな私に優しくしてくれるの??

もっと恨んでよ!!!

もっともっと憎んでよ!!!
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