一秒だけでも・・・


『お疲れさん。』

『高須先輩。』

そのボールでドリブルをし始めて
その勢いでシュートをした。

私は見とれていた。
みんなのシュートも綺麗だけど
やっぱり高須先輩が一番だ。

高須先輩は着地してすぐ私の方向に向いて
話しかけてきた。

『谷澤・・・』

『はい・・・なんでしょう??』

『例えば俺がいなくなったらどうする?』

『えっ・・・』

先輩の口から思いがけない言葉が出てきて
私は動揺した。
先輩は1歩1歩私に近づいてくる。

先輩が私の元に着く前に答えなくちゃと思うが
いい言葉が見つからない。

『あっ・・・』

『時間切れ・・・』
と耳元で囁きながら
私に微笑みかけてくれた。


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