MEMORIAL ADRESS
今日も学校へは行かず、悪友の有理とカモになりそうな奴を見つけて恐喝してきた所。

有名な地元の進学校のおとなしそうな男に目を付けた。

そいつは大人しく財布を差し出したけど、中身はそんなに無かった。



「悪い有理、あたし一応学校顔出しとくわ」



中身が無いとキレている有理に声をかけて沙羅は立ち上がった。



「え-!!!いいじゃん、行かなくてもぉ…沙羅が学校行ってる事自体、皆不思議がってんだからぁ!!!」



失礼な理由をこねながら引き止める有理と男友達を背に、沙羅は煙草の煙で真っ白な部屋を出た。

部屋を出てから、また煙草に火を点ける。

学校まではそんなに距離はない。

煙草を吸いながら歩いているところなんて見つかれば、即刻謹慎。

沙羅の通う桑藤女子高の校風は良くない。

謹慎者が出ない月は一度もない。

だけど、沙羅以外はビビってた。

謹慎になること、退学になることを。

沙羅は???

沙羅はビビってなんかない。

むしろ、退学してくれと学校から言われる事を望んでいた。
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