夜空に響く恋【短】
「好き……」


 ― ドォンッ……!!


あたしの言葉は、いくつもの花火の音に紛れてあっという間に消えた。


聞こえたのか、聞こえなかったのか…


隣にいる君を見ても、花火を見つめているだけで何も言ってはくれない。


花火大会はフィナーレを迎え、夜空と湖は無数の花火で彩られている。


何か言って欲しいのに…


君は、何も言ってくれない…。


あたしの心臓は、花火に負けないくらい大きな音で鳴っていた。


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