夜空に響く恋【短】
「なぁ……」


「え……?」


不意に声を掛けられて、あたしは隣にいる君を見た。


君の真っ直ぐな瞳が、あたしを捉えて離さない。


ドキドキと鳴る心臓が、全身を緊張させる。


君は真剣な表情のまま、ゆっくりと口を開いた。


「来年も二人だけで来(コ)よか?」


「え……?」


驚いたあたしが目を見開くと、君はフッと笑った。


「好きなんやろ?俺の事」


君は意地悪な笑みで言って、あたしの手を握った。


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