Winter bell
「もしもし、羅夢?」


「っ、晴稀……」


電話の相手が晴稀だとわかった瞬間、あたしの瞳に一気に涙が溢れ出し、ポロポロと零れ落ちた。


「久しぶり」


「うんっ……っ!」


意地っ張りなあたしは、泣いている事を晴稀に悟られたくなくて、必死に平静を装ってしまう。


「元気にしてたか?」


毎日泣いてる……


「普通……」


「今日イヴやけど……。何か予定あるんか?」


ないよ……


晴稀の為に空けてたもん……


「まぁね……」


「そっか……」


晴稀に会いたい……


あたしの心の声が、晴稀に伝わればいいのに…。


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