Winter bell
「何それ?」


あたしが尋ねると、晴稀は笑顔で口を開いた。


「魔法のカード♪」


「魔法のカード?」


言葉を重複したあたしを見て、晴稀がフッと笑った。


彼は何も言わずにあたしの手を引くと、少し先にある部屋の前で立ち止まった。


「はい♪」


カードを差し出した晴稀が、目配せで差し込むように促した。


あたしはドキドキしながら、ゆっくりとカードを差し込んだ。


ガチャッとロックが解除される音が響いて、ドアノブを回してゆっくりとドアを開く。


その瞬間…


「すごい……」


テレビでしか見た事の無い高級な部屋を目の当たりにして、驚きを隠せなかった。


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