Winter bell
「羅夢姫の為に、ご用意させて頂きました。いかがですか?」


普段は真面目な晴稀が、おどけて言った言葉が可笑しくて…


クスッと笑った後、込み上げる嬉しさを素直に言葉にした。


「めっちゃ気に入った♪」


あたしの表情を見た晴稀も、嬉しそうに微笑んだ。


そしてあたしを奥へと促し、二人でソファーに座った。


フカフカのソファーは高級感が溢れていて、リラックスするどころか緊張してしまう。


晴稀はシャンパンを開けると、細くて綺麗なワイングラスに注ぎ、一つをあたしに渡した。


「じゃあ、とりあえず乾杯しよか♪」


晴稀の言葉を合図にグラスをキンッと鳴らし、あたしはワインを一口飲んだ。


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