Winter bell
あたしは涙を浮かべながら、首を横に振った。


あたしは、いつも自分の事ばっかりやん……


何でもっと、晴稀の事を考えへんかったんかな……


「俺さ、羅夢に比べられて、振られるのが恐かってん……」


晴稀はあたしを見つめながら、小さな声で言った。


「え……?比べる……?」


「羅夢は……いっぱい恋愛経験あるやろ?だから、元カレと比べられて下手やと思われたら振られるかもしれんって、ずっと不安やってん……」


晴稀は『情けないやろ?』と付け足して、辛そうに笑った。


「比べるとか出来る訳ないやん!」


「いや……。羅夢がそんな事せぇへんのはわかってるけど……」


「じゃなくて、あたし初めてやもんっ!!」


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