Winter bell
晴稀の腕の中で、抱え切れないくらいの幸せを感じていた。


「体、ツラくないか?」


心配そうにしている彼に、ニコッと笑みを見せる。


「ちょっとだけ痛いけど、全然大丈夫♪」


「そっか……」


晴稀はホッとしたように笑って、あたしの髪を撫でた。


「ねぇ……。何でえっちが下手とか言ったん?」


あたしは思い切って、気になっていた事を尋ねた。


「あぁ〜……。元カノが……俺は下手やって……」


すると晴稀は、言い難そうにしながら小さな声で答えた。


「ふぅ〜ん……」


「あっ……!でもそいつとはすぐ別れたで!」


慌てた晴稀をじっと見つめると何故か切なくなって、同時に少しだけ悲しくなった。


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