Winter bell
「俺さ……羅夢に言ってへん事がもう一つあるねん……」


「……何?」


あたしは、少しだけ不機嫌な声で尋ねた。


「最初に付き合ったんは、その元カノやねんけど……」


「……けど?」


煮え切らないような言い方に、少しずつ苛立っていく。


「俺の初恋は……お前やねん……」


「えっ……?」


しどろもどろ答えた晴稀は、顔を真っ赤にしている。


「高校の時から、お前の事が好きやってんけど……。俺みたいな奴、羅夢は相手にしてくれへんと思ってた……」


ただただ嬉しくて、瞳に涙が溢れ出す。


「だから再会した時はめっちゃ嬉しくて、絶対に告ろうと思って……」


晴稀はそう言うと、満面の笑みを見せた。


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