Winter bell
あたしも晴稀も、抱えていたコンプレックスを言い出せなくて…


そのせいですれ違ってしまったけど、結局はその事がキッカケで素直な気持ちを言えたんだと思う。


晴稀がいない時間は、寂しさで溢れていたけど…


それでも、今はその時間にもちゃんと意味があったんだと思える。


心の底から幸せだと感じているのは、体を重ねた相手が晴稀だから。


触れてくれるその指先や唇が好きな人の物なら、きっとそれだけで幸せになれるんだ。


「ねぇ、晴稀……」


「ん?」


続きをそっと耳打ちすると、晴稀は幸せそうに笑った。


あたし達は雪のように白いシーツの中で、クリスマスの雰囲気に負けないくらいの甘いキスを交わした――。


< 126 / 129 >

この作品をシェア

pagetop