Winter bell
今日もやり甲斐を感じる事無く、いつも通り定時に退社した。


駅まで歩きながら、晴稀に電話を掛ける。


「羅夢?」


「うん、今終わったよ♪」


「お疲れ様!」


晴稀の声を聞くだけで、心がすごく癒される。


「ねぇ、今日は会える?」


「まだ仕事終わりそうにないから、今日は無理やわ……」


申し訳なさそうな晴稀の声が、あたしを寂しくさせる。


「そっか……。仕事やったら仕方ないやん!」


出来るだけ明るく言ったものの、彼の事が恋しかった。


「ごめ……」


「堀川先輩、これってどうするんですかぁ?」


寂しさを必死に隠そうとしていた時、電話の向こうで晴稀の言葉を遮るように甲高い声がした。


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