Winter bell
家に着いたあたしは、ベッドに寝転んで天井を見つめていた。


さっきのは何……?


あの女の子は、たぶん晴稀に好意を持っている。


ただの勘だし、見た事の無い相手の事だから何とも言えない。


だけど、あたしは人を見る目だけはある。


あの子が羨ましい。


晴稀と一緒に仕事が出来て、彼の近くにいられる。


きっとあの子は、あたしなんかよりもずっと長い時間を晴稀と一緒に過ごせるんだ。


不安を抱きながら、クッションを抱き締めた。


「晴稀……」


晴稀とあの子の関係が、すごく気になる。


寂しいのも不安なのも、いつもあたしばかりで苦しい。


今すぐ晴稀に会いたい……


唇を噛み締めながら、携帯の電源を入れた。


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