Winter bell
すると、晴稀がクスッと笑った。


「俺は、羅夢一筋やで?」


その言葉で、あたしの胸の奥がキュンと鳴いた。


「ほんまに……?」


「当たり前やろ!それに俺は、浮気とか出来るような器用な性格でもないし……」


それはわかっている。


だけど…


「器用な性格やったら、晴稀は浮気するん?」


あたしは不安が先立って、心無い事を言ってしまった。


「違うって!そういう意味じゃないから!」


「でも……」


「そんなに俺が信用出来ひん?俺が好きなんは、羅夢だけやねんで!」


晴稀の声が、やけに近くで聞こえる。


まるで、隣にいるみたい。


っていうか、もしかして……


< 23 / 129 >

この作品をシェア

pagetop