Winter bell
晴稀は少しだけ困ったように笑ってから、申し訳なさそうに口を開いた。


「寝るとこないやん……。それに、明日の会議で必要な資料が家にあるねん……」


「無理なん……?」


「ごめんな……」


「そっか……」


よく考えれば、とっくに0時を過ぎている。


晴稀はこんな遅くまで働いていたのに、あたしの家まで来てくれたんだ…。


「羅夢、ごめん……。いつも寂しい思いばっかりさせて……」


「ううん……。あたしの方こそ、今日はごめん……。でも、イヴは絶対に一緒やで?」


あたしは笑顔で言って、晴稀にチュッとキスをした。


「おう!約束な♪」


彼は笑みを浮かべてあたしの頭を優しく撫で、玄関に向かった。


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